ARTIST

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ピアニスト

杉林 岳

桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ学士課程修了後、渡欧。ウィーン市立音楽芸術大学(旧ウィーン市立音楽院)リート・オラトリオ声楽伴奏科修士課程、並びに器楽伴奏科修士課程、室内楽科大学教育課程を首席で卒業。これまでに、ソロを植田あさ子、山田富士子、シュテファン・モェラー、スンスーク・カン、ロラン・ブレー、リート・オラトリオ伴奏法をキャロリン・ヘイグ、室内楽をデニーゼ・ベンダ、エフゲニー・シナイスキ、ソロと室内楽の両方をルーカ・モンティ、(故)パウル・バドゥーラ=スコダの各氏に師事。2004年、日本ピアノ教育連盟オーディション優秀賞受賞。2006年、東京国際芸術協会新人オーディション最優秀新人賞受賞。2010年、ウィーンのロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクールにてシューベルト賞を受賞。2015年、ブラームス国際コンクールの室内楽部門にてヴィオリスト丸山奏とのデュオで特別賞を受賞。同年、フィデリオ基金コンクールにヴァイオリニスト松本紘佳とのデュオで入賞し、入賞者演奏会の模様がオーストリア放送局より放送された。同デュオはその後、ピネローロ・トリノ国際室内楽コンクール第3位(イタリア)、大阪国際音楽コンクールデュオ部門第1位および聴衆賞、ボウルダー国際デュオコンクール第3位(アメリカ)と上位入賞する。国際リートコンクールでは(故)アーウィン・ゲージ、グレアム・ジョンソン各氏から賛辞を受ける。2018年、NHKのFMクラシック音楽番組「リサイタル・ノヴァ」に、ヴァイオリニスト登坂理利子氏と出演。同年から2020年までJapanische Virtuosen Wien(ウィーンで活躍する日本人の若手演奏家たち)と称したアンサンブルグループに携わり、精力的に演奏活動を行った。2019年に丸山奏とデュオ・ガイストクラングを結成。オーストリアと日本を中心にソリスト、室内楽奏者、リート伴奏者として活躍している。2020年5月にファースト・ソロアルバム『Lyric』をリリースし、e-onkyo musicでもハイレゾ配信されている。

素晴らしい室内楽の演奏会が刺激となりました。

―音楽家を志すきっかけと経緯を教えてください。

幼少の頃からピアノのほかクラシックバレエや芝居など色々習い事をしていましたが、
小学校3年生の時にピアノのレッスンに専念することになりました。いま思えば、小学2年生の時にオーケストラと共演させていただく機会に感じた、ステージ上での緊張感とある種の快感も影響したのではないでしょうか。小学校4年生から通いだした相愛音楽教室で植田あさ子先生に出会いました。高校1年の終わりに通信制の学校に変えてから、もっと外の世界を知ってよりレベルアップしたいという思いが募り、植田先生の下で実技と併せて音楽理論とソルフェージュを学んだ後、現役で桐朋学園大学に入学しました。このころから、プロのピアニストになろうという意識が高まったと思います。

―学びの地、あるいは音楽活動の地として、ウィーンを選ばれた理由はなんですか?

私が初めてウィーンの地を踏んだのは、高校生の時にいった家族旅行でした。その時のウィーンの街の空気感が印象に残りました。例えば、美しい旧市街と自然とのバランス感、街頭で演奏する器楽奏者やオペラ歌手、優雅なカフェ文化と賑やかなホイリゲ酒場、等々。そして、桐朋学園大学4回生のときに、ベートーヴェンをはじめとするウィーン古典派のスペシャリストのシュテファン・モェラー氏の公開レッスンを受講する機会があり、彼との出会いが再びウィーンへ渡るきっかけとなりました。それから、ソリストとして学ぶ傍らで、立ち見券で国立オペラ歌劇場へ足繁く通ったり、素晴らしい室内楽の演奏会やリーダーアーベントを聴く経験は、家でこもって練習するよりも数百倍の刺激となりました。このことが、ソリストとしてのみならず、室内楽奏者、ならびに歌曲伴奏者としての喚起にもなり、音楽家としての可能性に気づかせてくれたのがウィーンでした。

杉林 岳

ピアニストとしての信条は “語るピアニズム” です。

―現在の活動とこれからの活動を教えてください。

現在はウィーンを拠点にソリスト、室内楽奏者、歌曲伴奏者として多岐にわたって活動していますが、今後は拠点を日本に移すことを考えています。長らくウィーンで暮らし学んだことを日本で少しでも還元していくことで、自分自身のレヴェルアップにも繋がると信じております。また、昨今の世界情勢の変化に伴って、プロデューサーやエンジニアの方々と協力し合い、臨場感あふれるハイブリッド型の配信コンサートも、ライヴコンサート活動の傍ら行っていけたらと思います。

―作品演奏のアプローチはどのようにされていますか?

ピアニストとしてのわたくしの信条は“語るピアニズム”です。美しいメロディーが現れた時にいかにレガートに、まるで一流のベルカント歌手が歌っているかのように、時には歌詞をつけて考える時もあります。そして、響きとフレージングづくりも大切にしています。また、なぜ作曲家がそう書いたのか、常に自問自答するよう心がけています。

―お休みの日はどのように過ごされていますか?

とにかくスイーツが好きで、おしゃれなカフェやパティスリー探しに余念がありません(笑)
カフェで一人でのんびりと黄昏たり、仲間たちと語らうのも好きですね。

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