ARTIST
アーティスト
ソプラノ歌手
森野 美咲
岡山市出身、ウィーン在住。第87回 日本音楽コンクール声楽部門優勝、第27回 ヨハネス・ブラームス 国際コンクール声楽部門で日本人初の第１位受賞。
これまでにウィーン楽友協会、コンツェルトハウス、シュタイヤー秋の音楽祭、東京オペラシティ、東京文化会館等で数々のオペラやコンサートに出演。 ウィーンフィル夏のアカデミー「偽の女庭師」では題名役に抜擢、オーストリアツアーを成功させ、マイナビ プロ野球オールスター戦開幕式で甲子園球場にて国歌独唱を務めるなど、今後も国内外での活躍が期待される注目の若手ソプラノ。
東京藝術大学声楽科卒業、ウィーン国立音楽大学修士課程を満場一致の首席修了。
文化庁新進芸術家海外研修員、ロームミュージックファンデーション奨学生。 令和元年五島記念文化賞オペラ新人賞、岡山芸術文化賞グランプリ、マルセン文化特別賞受賞。
自然体でいること、自分の心の声に敏感になること
―普段の生活で気を付けていることはありますか？
２１歳の時に単身渡欧して、とにかく目に入るものはあれこれ挑戦して、フル回転で走り続けてきました。１週間でイタリア、ドイツ、フランスと３カ国４都市のオーディションを受けたことも！（笑）どこにそんなエネルギーがあったのか・・・。
３０代になった今は、より自分の内面と向き合い、ふっと立ち止まって休む時間を持つようになりました。自然体で、自分の好きなことに敏感になるって、簡単なようで意外と難しいです。ちょっとした事ですが、朝一番に窓を開けたり、ヨガをしたり、ゆっくりコーヒーを入れたり。忙しい時こそ自分を可愛がってあげる時間を持つことで、ほっと落ちついて、また明日へのエネルギーやインスピレーションが湧いてきます。
―なぜ歌手になることを選んだのですか？
小さな頃から歌ったり踊ったり、人前に立つことが大好きでした。オペラの舞台では普段は絶対にしないメイクやお衣装をいただくことも多く、お姫様から人殺しの役まで(笑) いつもの ”わたし” とはかけ離れた役を演じることも。でもどんなに現実には “ありえない” 役にも絶対に共感できる面があって。どんな人にも心の奥底には色々な感情が潜んでいると思うんですけど、普段はよっぽどのことがないとそれを人にぶつけたりしないですよね。でも舞台の上では、一見大袈裟に見えるドラマに心の奥底では共感したり、逆に笑い飛ばしたりできる。そういう大袈裟な感情の爆発を表現できるのが魅力です。新しい役や曲を勉強する度に、自分にこんな面があったのかと新鮮な発見があります。ソロのコンサートではいつも一番に届けたいメッセージやテーマを選んで、そこからプログラムを作ります。
お客さまと心が繋がる瞬間、その繋がりを大切にしたい
―演奏する際に気を付けていることや、本番前のルーティンがあれば教えてください
演奏中はとにかく無心でいたいと思っています。どう頑張っても自分以上のものは出せないし、詩や台詞、音が体に入っていれば、表現しようとしなくても勝手に出てくるはずだと信じています。それが出来ない時はまだ練習や自分に落とし込む作業が足りないんです。自分で言っていて耳が痛いですが（笑）あとは舞台上で一瞬一瞬の空気を楽しむことですね。宮廷歌手のアンゲリカ・キルヒシュラーガさんに「歌うことは魂と魂の交換だ」と教えていただいて、すごく感動しました。それ以来聞きにきてくださる方との心が繋がってコミュニケーションが取れるような演奏を目指しています。
本番前はやはり歌手なので、風邪だけはひかないようにビタミンをたっぷり摂ってます。歌手の人は本番前に絶対コーラ飲む人やアイス食べる人、ゲームしてる人など色々で面白いですよ（笑）
―趣味、好きな食べ物などは何ですか？
甘いものとお酒が好き（笑）なので、ここぞという時に楽しめるように普段はなるべく体に優しいものを、マーケットで新鮮な食材を吟味して料理を楽しんでいます。
最近はローカーブのお菓子作りにはまってます。
移動が多く、公演の為に１〜２ヶ月ウィーンの自宅を離れることもざらなので、保湿グッズ、旅行用のリラックスアイテムを集めてます！
―これからの活動や目標などを聞かせてください
一人のアーティストとして、心が惹かれるものには何でも柔軟に、自由にトライしていきたいです。移動や行動が制限される今は、否が応でも自分と向き合えるチャンス。この機会にもっと歌の幅を広げたいと思っています。
目標はあえて決めず、思いがけない人と思いがげず出会って、繋がって、そんな一期一会のステージをこれからも大切にしていきたいです。予定通りに行った試しがないので、計画を立てるのはもう諦めました（笑）
冬にはウィーンで長年デュオを組んできて、先日のブラームス国際コンクールでも素晴らしい伴奏を弾いてくださったピアニストの木口雄人さんと新しいアルバムをリリース予定です。
その他にも色々と楽しんでもらえるコンテンツを考えているので、是非お気にかけてくださると嬉しいです。
